ご挨拶
このたび、第2回日本老年薬学会学術大会を、2018年5月12日(土)、13日(日)の両日、都市センターホテルにて開催する運びとなりました。
複数の持病を抱える高齢者が多くの薬を飲み、深刻な副作用が出るケースも後を絶ちません。長年同じ薬を同じ用量で服用していたとしても、高齢化に伴う生体の薬物代謝能力等が低下し、ある時点から過剰投与となることがあります。ポリファーマシーになればさらに副作用のリスクは高まりますが、過量投与により生じる問題やその発生率等に関する明確なエビデンスは少ないのが現状です。高齢化による生体の変化と、薬理作用や服薬上の問題を専門的に研究する学会がなかったことから、2016年1月4日に高齢者専門の薬剤師を養成する本学会が設立され、2017年5月12日に秋下雅弘学会長の基、第1回学術大会が開催されました。
高齢者の問題はポリファーマシーのみならず、残薬、認知症、サルコペニア、フレイル、運動機能障害、摂食嚥下障害など様々です。我々薬剤師は、今まで服薬指導、副作用の確認、薬物動態、処方設計、緩和ケアなどたくさんの役割を果たしてきました。しかし、高齢者問題に関しては、これからもっともっとチカラを入れるべき課題です。
そこで、第2回学術大会のメインテーマを「薬剤師のソコヂカラ〜健康長寿のためにできること〜」としました。高齢化社会においては、慢性期疾病を治すキュアの医療よりも、地域での生活を支え、他の疾病を予防し、QOLを向上させるケアの医療が重要となります。薬剤師が健康長寿のためにできることを皆様と共に考え、本学術大会の講演、シンポジウム、セミナー等にてさらなる研鑽を積み、その実践を目指しましょう。
2017年7月吉日
第2回日本老年薬学会学術大会
会長 倉田なおみ
実行委員長 亀井 大輔